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【症例】前歯が噛み合わない状態に対しジルコニアセラミックを用いて審美的・機能的に回復
2025.06.28
治療内容 | 上下前歯のモックアップ模型を用いてシミュレーションを行い、仮歯を用いて噛み合わせの調整をして、ジルコニアセラミックにて治療を行いました。 |
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期間 | 3ヶ月 |
治療回数 | 15回 |
費用(施術当時の料金) | 1,320,000円(税込) |
治療前の状態・主訴
患者様は、当院で12年以上前からメインテナンスで通院していただいている50代女性の方です。
以前から噛み合わせが不安定で、前歯が全く当たらないオープンバイトの状態でした。以前、若い時に矯正治療をされたようなのですが、矯正治療時に過剰な力をかけたせいなのか、前歯の歯根が非常に短く少し動揺が出てしまっている状態でした。
矯正終了後から少しずつ後戻りをしてしまい、現在の歯並びになってしまったようでした。
奥歯がどこで噛んで良いかいまいちわかりづらく、顎関節症も併発している状態でした。本来なら再度矯正治療を行うべきなのですが、歯根が非常に短く、再度矯正をするには歯が耐えられない状態でした。
ご自身でも前歯の歯並びや噛み合わせはずっと気にされていて、なんとかしたいという思いは強いようでしたが、なかなか治療に踏み切れず夜間にマウスピースを使用して頂きながら、検診で様子を伺っていました。
画像がこちらになります。
治療詳細
月日が経ち、前歯にプラスチックを詰めていたところがかけてきてしまっており、前歯の形の維持が難しくなってきました。さらに色も気になるとのことでしたので、2021年に一度前歯を全て削って、色合いと噛み合わせを再構成するプランをご提案させて頂きました。
ただし、このプランニングを行うと、前歯が噛み合うことから、前歯に対する負担が増大することが不安要素でした。それらの不安を少しでも解消するため、患者様には、審美的機能的な回復を図る代わりに、上の前歯は全て連結して固定する必要がある、とご提案させて頂きました。
当初はご本人も歯をつなげてしまうことと削る事に抵抗がありました。ただ、見た目と噛み合わせの改善も行いたいと悩んでおられる様子でした。
そこで、一度お口の型を取らせていただいて模型上で歯の形を再現し、治療を行ったらどういう形になるのかをシミュレーションしてみて頂きました。
ご本人自身、模型を見られて凄く気に入られたようなのですが、当時お忙しいようなので少し考えますとのことでした。
その後3年ほど経過した頃、前歯がいよいよ割れてしまい、プラスチックで修復をすることが困難な状況になってきました。ここで、患者様と相談を再度させて頂き、3年前に作成した模型をもとに仮歯を作成し治療を開始しました。
仮歯は、2時間ほどお時間をいただいて上下一気にセットを行いました。前歯の形態が変わるため、咀嚼や発音などの機能的な面と、歯の形などの審美的な側面を仮歯で1ヶ月ほど使用して頂き、調整を行いました。幸い、今回の患者様は発音や咀嚼などの障害はなく、早い段階から普通にお食事取れるようになりました。また、前歯の咬合ができたことで、顎のコントロールが出来るようになり、奥歯の噛み合わせが安定したと喜んでおられました。審美的な面では、仮歯の長さなどを調整しながら形を整えて行きました。
1ヶ月ほどで状況が安定しましたので、下の前4本から型取りを行いました。下の歯は歯根の長さに問題がないため、一本ずつ修復し繋げることはしませんでした。
色合いに関しては、患者様ご本人は色合いを少し明るくしたいが、極力天然の歯のようにしたいとのご要望でした。
患者様ご自身と歯科技工士さんとお話をして頂きました。患者様の歯の色が少し黄色とグレーがかった色合いが強いため、歯科技工士さんには、そのままの歯牙の色で修復すると暗くなってしまうことや、歯の先端の透明色が強い色調をセラミックで再現すると強度が弱くなってしまうことなどをお話ししていただき、今回のような少しご自身の歯よりは明るく天然歯に近い色調に近づけてもらいました。ご本人も色合いに非常に満足されていました。
その後、上の前歯の型取りを行いセットと、全体的な噛み合わせの調整を行いました。上の前歯は全て連結して一番細い歯間ブラシが入るように作成してもらっています。
最後に、マウスピースを作成してさせてもらって今回の治療は終了となりました。
治療後の様子
今回の処置はほとんどの歯は神経がある状態でしたので、歯の形成をする時、神経に損傷を出さないようにするのに非常に気を使いました。
幸い、知覚過敏など大きなトラブルもなく、長年メインテナンスで拝見させていただいていたことにより、咬合の癖などもわかっていましたので非常にスムーズに処置を進めることができました。
今後は、このセラミックが長持ちするように、引き続きメインテナンスで噛み合わせのチェックをしていく予定です。
主な副作用・リスク
・予後を完全に保証するものではありません。
・自由診療での治療となります。
・歯の萌出方向・残っている量によっては神経を取らないといけないケースがあります。
・治療終了後にしみる症状、咬むと痛いなどの症状が出る場合があります。
当院では、機能面だけでなく審美的な面にも気を遣った治療を提供しております
ジルコニアセラミックは金属を全く使わないため、天然歯特有の透明感の表現が非常に優れています。人の歯は、先端に行くほど薄くなっていくため、青味がかった透明感が出てくる方が多いです。こちらの色調再現が非常に重要となってきます。
当院のジルコニアセラミックは、デンタルビジョンという、馬車道アイランドタワー歯科に隣接する技工所の方が作成してくれています。色調再現は、技工士さんのテクニックとセンスに依存するので、今回のような少数歯のケースはいつも助けられています。
みらい歯科では、様々なケースにご対応できるよう、患者様に治療の選択肢をご提示しております。
前歯の治療は、審美的な要求を満たすこと大前提なのですが、機能的にも顎を誘導するという非常に重要な役割を持っています。
当院での前歯の治療は、ただ綺麗にするだけではなく、機能的に(咀嚼・発音・清掃性)網羅して常にお手入れしやすく、長くお口の中で使用していけるように留意おります。
今回のような大々的に噛み合わせを変える場合は、顎の動きが変化するので、定期的にチェックしていきながらその都度調整を行うケースもあります。
歯やお口周りに、お困りの症状や気になることがございましたら、どんな些細なことでもどうぞお気軽にご相談ください。また、他院で入れられたセラミックのメインテナンスも受け付けております。
みらい歯科 院長 出口 真太郎
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