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【症例】噛み合わせが強く歯周病と歯根破折を招いた歯に対するインプラント治療

2026.09.02
| 治療内容 | 破折と歯周病がある歯を抜歯し、インプラントで治療 |
|---|---|
| 期間 | 8年間 |
| 治療回数 | インプラント治療1部位:7回 (メンテナンスを含んでおりません) |
| 費用(施術当時の料金) | 1,830,000円(税込) ※掲載費用は治療当時のものです |
治療前の状態・主訴

今回の患者様は、70代女性で、左下の奥の歯がしみるとの主訴で来院されました。
レントゲン写真を撮影したところ、奥歯に骨の欠損が確認できました。冷たいものがしみていた症状は、歯周病と噛み合わせのズレから生じたものと考えられました。そこで、麻酔を使って全体的に歯周病の治療を行い、噛み合わせの治療のためマウスピースを作成しました。
しかしながら、その後1年ほど経過をみていても右下のしみる症状はなくならず、左下の奥から2番目の歯の神経をとる方針となりました。
治療詳細

こちらは、左下の神経が死んでしまい膿疱ができている状態のレントゲン写真になります。
噛み合わせが強い人は年齢を重ねてくると歯に微細なクラックが入り、そこから菌が侵入し、神経が死んでしまうことがあります。
特に奥から2番目の歯は食事の時に一番噛む歯であるため、炎症を起こしやすいです。
さらに、前歯の被せ物が外れかけており、揺れが出てきたため、仮の歯を作成しました。また、左上の前歯が折れていることがわかったため抜歯を行いました。

その後、1ヶ月ほど待ち、インプラントの治療を行いました。
もともと設計的に無理なブリッジを装着していたため、前歯にかかる負担が大きく、歯を支えている骨が失われている状態でした。
そのため、今回のオペはインプラントの埋入と同時に骨造成を行いました。

術後は問題なく経過しました。
骨造成量が多かったため3ヶ月ほど待ったのちにインプラントの上部構造をセットしました。
本来であれば、犬歯の前に一本インプラントを入れることが理想ですが、骨が非常に薄くインプラントを打てなかったため、前歯に2本入れるという形となりました。
同時に犬歯の被せ物の治療も行いました。

その後、定期検診で経過をみていましたが、歯磨きが安定せず、歯周病が少しずつ進行していきました。
また、歯軋りも強いため定期的に噛み合わせの調整を行いながら、左右バランスのズレがないかをチェックしていました。
2年ほど安定した状態で定期検診を続けていましたが、左下の根の治療を行った歯が腫れ、歯根が割れてきてしまいました。

以前根の治療で膿みがたまっていた歯の手前の歯根に、割線が触れるようになりました。この状態では残すことが困難と判断し、抜歯を行いました。
おそらく初めに神経の治療をした段階で骨の中で歯根に微細なクラックが入っており、それが年月を経て強い噛み合わせに晒されクラックが開いたことにより割れてきたと推察します。
こちらの歯は、抜歯をしてインプラントを行うこととなりました。また、左下の一番奥の歯に歯周ポケットが残っていたため、今回インプラントのオペと同時に歯周組織再生療法を行いました。
奥歯は十分な骨がしっかりとあるので大掛かりな骨造成は必要なく、術後の腫れもほとんどなく経過良好でした。

術後、骨の状態は問題なかったため、2ヶ月ほどで上の被せ物をセットしました。
左下の奥歯に関しては再生療法を行ってからしばらく骨ができるまで経過観察することになりました。

1年後のレントゲン写真になります。
インプラントの骨造成した部分と左下の骨再生を行ったところにしっかりと骨ができているのが確認できます。
その後2年ほど経過し、今度は右の下の奥から2番目の歯の頭が折れており、歯が動揺していました。右の時と同じように神経の処置を行い、仮歯で経過を見ていたのですが、クラックが入りさらに歯茎が腫れていたため、抜歯することとなりました。
右下の一番奥の歯は歯周病で骨が欠損していたため、インプラントと同時に再生療法を行いました。

こちらが術直後のレントゲン写真です。
前回の写真と比べると、赤い丸の部分に変化が見られます。この部分に薬を詰めて再生を促しました。
骨の状態は良好だったため、2ヶ月ほど待ちインプラントの上部構造をセットしました。
その後マウスピースを作り直し、現在は定期検診にて経過観察を行っています。
治療後の様子

右下のインプラント治療から1年後のレントゲン写真になります。
インプラントの骨植も問題なく、右下の歯周病も落ち着いています。
術後は歯茎も腫れることがなく、食事も快適にとれるようになっており、問題なく順調に経過しております。
主な副作用・リスク
・予後を完全に保証するものではありません。
・自由診療での治療となります。
・骨造成は喫煙の有無や全身疾患の有無で骨ができない可能性があります。
・インプラントは骨の硬さや、定着期間中の強い衝撃などにより骨と結合しないケースがあります。
・インプラントは骨と直接結合する為そこから動くことがなく、10年ほど経つとインプラントとご自身の歯の間に隙間が開いてくることがあります。
・顎の中には神経が多くあります。大きな神経は避けてインプラントは埋入しますが、C Tにもうつらない細い神経の枝がある可能性があります。その場合麻痺ができるケースがあります。ただ、小さな枝なので半年ほどで消失するケースがほとんどです。
口の健康を守るため、定期的に噛み合わせを確認し、早期発見しましょう
今回のように、噛み合わせの強さからくる歯の劣化及び歯根破折は、日々歯ブラシケアしていても防ぐことが難しい問題です。
歯は骨のように再生をすることがないため、年齢と共に劣化していきます。その時、どのような処置を行い、噛み合わせを安定させるかが大事です。
人間は歯の消耗を繰り返し、少しずつ歯が短くなっていく生き物です。
その中で、被せ物の治療や神経の治療を行なうと、天然歯と異なる硬さのものが入ることになるため、すり減り方やバランスが変化して行きます。
そこで不調和が出なければいいのですが、今回の患者様のように過剰な力が長い間かかる状況ですと、一箇所に問題が生じると他の部分にも連鎖的にトラブルが起きることがよくあります。
今回の患者様は4ヶ月おきに定期検診でいらしていただいていたので、悪くなる前に対処ができ、そこまでインプラントなどの手術も大掛かりなことにはなりませんでした。術後もそれほど痛みはなく過ごしていただけていたようでした。現在でも定期的に噛み合わせのチェックはさせていただき、これ以上天然の歯がなくならないようにケアを行なっています。
インプラントの治療が多数歯に渡る場合は、噛み合わせや、歯周病の有無など留意する点が多くあります。
定期検診でインプラントの清掃状態や噛み合わせの状態などチェックをさせていたければ、インプラントは非常に長い期間使用していくことが出来ます。
みらい歯科では、歯の欠損部分はインプラントだけでなく、その他の多くの治療を一度しっかりとご説明させていただいてから患者様に選んでいただくようにしています。
歯やお口周りに、お困りの症状や気になることがございましたら、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
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インプラント治療|みらい歯科
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みらい歯科 院長 出口 真太郎
