症例

【症例】抜歯・歯根嚢胞除去後、骨造成を行ってからインプラントで治療

横浜市桜木町の歯医者「みらい歯科」症例|【症例】抜歯・歯根嚢胞除去後、骨造成を行ってからインプラントで治療|アイキャッチ画像

2024.02.06

治療内容 歯根破折により上顎骨に部分形成された大きな歯根膿疱に対して、抜歯後骨造成を行いインプラントで治療
期間 6ヶ月
治療回数 16回
費用(施術当時の料金) 550,000円(税込)

治療前の状態・主訴

患者様は50代の女性の方で、右上の奥から2番目の歯茎が腫れてしまったということでご来院されました 

口腔内を診察すると、右上の歯茎がかなり強い炎症を起こして腫れている状態でした。レントゲン写真で確認したところ根が割れてしまい大きな膿疱が副鼻腔付近まで達していました。この状態で歯を保存するのは非常に困難なため、今回はやむなく抜歯することとなりました。 

治療詳細

歯根膿疱は根の周囲に膿疱壁という膿を閉じ込めるための袋を形成します。抜歯によって膿はなくなるため炎症が鎮まり症状は落ち着くのですが、この膿疱壁体の中に残ったままだと、骨が形成されにくくなってしまいます。そのため、抜歯後に膿疱壁をすべて綺麗取り除く必要があります。ただ、今回副鼻腔のすぐ近くまで膿の袋が形成されていました。 

副鼻腔(上顎洞)はシュナイダー膜という卵の膜のような非常に薄い皮で覆われています。膿疱壁を掻爬するにその膜を破ってしまうと上顎洞炎蓄膿症ってしてまうことがあるため顕微鏡見ながら慎重に膜を破らないように摘出しました。その後傷口が落ち着くまで2ヶ月ほど待ってからC T撮影ました。

こちらが2ヶ月後に撮影したC Tの画像になります。顎の骨に大きな穴が開いていることが見て取れると思います。幸い上顎洞の中には大きな炎症もなく安定していたため安心しました。ただ、この状態ではインプラントを埋入する骨がないため今回は先に骨を造ってからインプラントを埋入するステージドアプローチを行うことになりました。 

ちなみにこちらが反対側の正常な骨の状態の3Dモデルの写真となります。 

大掛かりな骨造成のオペは局所麻酔下で1時間30分ほどかけて行われます。今回のオペでは傷口が綺麗に治癒しており、抜歯したところも幼若な骨が出来てきている状態なので、骨造成をするにはとてもい良い環境になっていました。 

術後や骨造成後は大きく腫れしまうこともあるため、患者様には2日ほどはあまり無理をしないようにしていただくことが多いですが、個人差も大きく全く症状の出ない方もいらっしゃいます。今回は、術後に少し腫れが出ましたが痛みはそれほどな経過しました。大きな骨造成をった場合はおおよそ4〜6ヶ月待ちます。今回のケースは治癒が非常に早く経過が良好だったため4ヶ月でC Tを撮影しました。 

 

その後インプラント埋入のオペを行いました。骨は非常にしっかりしていて問題ありませんでしたが、一部足りない部分がありましたのでインプラントの埋入と同時に追加で骨造成を行いました。 

2ヶ月後骨と完全にくっついたことが確認できたため、インプラントの型をとり被せ物を作成しました。 

 

治療後の様子

1年ほど経過していますが、今のところ問題なく経過は良好です

主な副作用・リスク

・予後を完全に保証するものではありません

・自由診療での治療となります。

喫煙や全身疾患の有無で骨造成がうまくいかない可能性があります。 

・インプラントは骨の硬さや定着期間中の強い衝撃などにより骨とくっつかないケースがあります。 

・インプラントは骨と直接くっつく為10年ほど経つとインプラントとご自身の歯の間に隙間が開いてくることがあります。 

・顎の中には神経が多くあります。大きな神経は避けてインプラントは埋入しますが、C Tにもうつらない細い神経の枝がある可能性があります。その場合は麻痺ができるケースがありますが、小さな枝なので半年ほどで消失するケースがほとんどです。

みらい歯科では大掛かりな骨造成にも対応しています。まずはご相談ください。

今回の症例はいかに膿疱をうまく取り切るかが治療の成功の鍵を握っていました。膿疱が残留してしまうと骨のできが非常に悪くなってしまい、上顎抜歯後の炎症が波及して蓄膿症へ発展してしまう恐れがありました。 

上顎のインプラントは下顎のインプラントに比べ骨量が少ない場合が多いため若干ですがインプラントの定着率が悪くなります。したがって、上顎のインプラントはいかにしっかりと骨を残して造成することができるかが非常に重要になってきます。 

今回はかなり大掛かりな骨造成でしたが特に強い症状もなくインプラントも安定しているため患者様にも喜んでいただけました。 

 

みらい歯科では、様々なケースにご対応できるよう、患者様に治療の選択肢をご提示しております。 

インプラントの治療が複数の歯に渡る場合はかみ合わせや歯周病の有無など留意する点が多くあります。定期検診でインプラントの清掃状態や噛み合わせの状態などチェックをしっかりとすることで、インプラントは非常に長い期間使用していくことが出来ます。 

みらい歯科では、歯の欠損部分はインプラントだけでなくその他の多くの治療を一度しっかりとご説明させて頂いてから皆様に選んでいただくようにしています。 

歯やお口周りにお困りの症状や気になることがございましたら、どんな些細なことでも大丈夫ですので、どうぞお気軽にご相談ください。 

みらい歯科  院長 出口 真太郎 

 

こちらご参照ください。 

インプラント治療|みらい歯科

【症例】大きな骨欠損に対して骨造成を行い、入れ歯からインプラントへ|みらい歯科

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